2/16(水) 晴れ

面白い日記を書きたいというスケベな気持ちが出てきてから、日記を書くことが楽しくなくなってしまった。そんなわけで、面白い日記を書こうという気持ちは横に置いて、ただ書いてみようと思う。

朝起きて、脚本の物語の中の登場人物たちの気持ちに降りていく。なんでこの脚本を私は書きたいのかそれが大切だと師匠に教えてもらっていたことを改めて受け止めている。最近発見した自分のこと、それは自分はそこに誰かに向けた想いを込めないと何かを作ったり書いたりすることに打ち込めないタイプということだ。みんなもそうかもしれない。でも私はずっと自分がそういうタイプであることを見て見ぬ振りして書こうとしていて、その度にやる気が空回りしててしんどかった。とはいえなんで無視してたかっていうと、それはその想いを見つけるのがとてもしんどいから。自分が何かを感じること、本当にどう思っているのかそれを掘り起こしていく作業がしんどくて、見て見ぬふりしてたのだと思う。でもここはもう、必ず通らないといけない道ってことで、最近はそこを掘ることばかりしている。自分が好きな作品には必ずそこがある気がする。「カルテット」観て一番感じたのは、この脚本書いた人、本当にこのキリギリスたちのことが好きなんだなぁ…!ということだった。悔しいことや受け入れ難いことがあっても、アリにはなりきれず、夢を追い続ける大人のキリギリスたち。この4人のことが、坂元さんは大好きで、それでそんな想いが、カルテットドーナッツホールたちと同じような気持ちを抱えている大人へのエールになっている。私だってエールを受け取った一人だ。脚本の向こうにいる人と、そんなふうにして繋がりたい。私がやりたいのは、脚本家という肩書きをゲットすることでも(したいけど!)有名になることでも、なんでもいいから作ることでもないんだ。それは肝に銘じてないといつも忘れそうになっちゃう。わたしは、私のやりたいことをちゃんとやろう。今私が書いている物語の中でやりたいことは、(どんな状況だって)みんなが自分を幸せにする選択をできるようにすること、だ。それを念頭に人物たちの心をのぞいていく。今日のぞいた二人の中には「自分なんかどうでもいいと思ってる」っていう涙が埋められてることが分かって、苦笑いしてしまった。脚本って、全然違う人物のこと考えてると思ってるけど、これ結局あたしなんじゃないか?

そのあとはテレワークしてたけど、集中できなくて出社。夜帰ってからは、NETFLIXで「SHERLOCK」を観る。もうシーズン4で、ホームズたちが愛おしくて仕方ない。コナン・ドイルもこんなに鮮やかに楽しく脚色されてると思わないだろうなぁ!ホームズもワトソンもメアリーも全然若くないところが私は好き。日本のドラマはなんだか若くないと主役になれないか、中年以降の主役はそのことがすごく強調されてテーマに近いところに置かれていたりする気がする。40-50くらいの大人たちが平気で大冒険していて、思春期みたいにドギマギしたり人との距離を縮めて親友になっていく。とってもかわいい。いつまでもこの人たちの時間を観ていたいなぁと思うドラマはいいドラマ。だから「SHERLOCK」は最高のドラマで、観終わってしまって悲しい!

今日観たもの「ミステリという勿れ⑥」「SHERLOCKシーズン4」、今日読んだもの野口晴哉「風邪の効用」(読了)。

2/13(日) 雨/アメリ

NETFLIXで「アメリ」を観た。もう、何度も観ている映画だ。初めて観たのは高校生か大学生のときで、その頃だけで10回以上は観ている気がする。BGMのようにして流していた映画だった。とにかく心地よくて、アメリのような現実に対峙したくないよっていう性格も、今思えば自分が観て安心できる設定だったんだと思う。私みたいに、勇気が出せなくてウジウジしてても(当時はアメリよろしく、慣れない片思いにドギマギしまくりだった)、いつかアメリみたいに、人生勇気を持ってすすめるんだって思ってたのかもしれない。

それからしばらくは、全然観ることがない映画だった。でも、10年ほどのブランクののち、去年の後半からまた「アメリ」をよく観るようになる。書き上げようとしてる脚本の参考になると思って見直し始めたのだ。今日も「アメリ」の構造を勉強するつもりで、逆バコ起こしをしながらまた見直した。

それで、あるシーンが来たときにふと思い出した。わたし、そうだった。この映画が好きだったんだ、すごく。勉強するつもりで観ていたから、忘れていたけど。

そのシーンというのは、アメリのお父さんが旅に出たドアーフからのインスタント写真を心待ちにしていて、ついには門のそばで掃除をしながら、郵便屋さんを待っているシーン。これは掃除だよ、待ってるんじゃないよというフリをしながらも、ソワソワと手紙を待っているその姿がかわいらしくて、人間っていいなぁって思えるシーンだ。本当に何気ない一瞬のシーンなんだけど、人間っていいなぁって思えるのってこういうディテールだったりする。

ジョゼフが新しい彼女のジョルジェットと会話する男に「らくだ男」というあだ名をつけていること、ニノが失敗した証明写真や人の笑い声を集めていること、ガラス男が外の時計をビデオカメラでテレビに映して暮らしていること、アメリ白杖のおじいさんの手を引いて声で街案内をしてあげるところ。

アメリ」はこういうディテールが本当にチャーミングで素晴らしい映画で、私がこの映画を好きだったのもディテールを大切に描いているからだ。アメリが自分の世界を不器用に飛び出しながら、一歩一歩ニノに近づいていく筋書きや構造もさることながら、アメリやその周りの登場人物たちの日常のディテールにこそ光を当てて、大切にしている。人間って、人生って、なんかすっごくいいな!って思えるディテール。そういうディテールってオリジナルで、きっと映画の中だけじゃなくて、誰の人生にもオリジナルなやつがあるんだと思う。自分だけのディテール。そういうディテールで切り取って眺めたとき、人生は悪くなくて、人間はかわいいと思えるんじゃないだろうか。私はそんな風に世界を眺めるために、そしてそれを誰かにも眺めてもらいたくて、脚本を書きたいと思っていた。一生懸命書くことを重ねていた頃、そう思っていた自分を思い出した。今の自分が、そう思っているかはちょっとわからない。鈍っているのだ、自分がどう思っているのか、何を大切にしたいのか、今の私は10年前ほどはっきり、分かっていない。でもまた、そんな風にこれを大切にしてやっていきたいなと思えることを、わかっていきたい。それは昔とは違うかもしれないし、そのことを残念に思うかもしれない。でも、わかっていきたい。

2/9(水) 晴れとくもり

ここ最近ずっと思っていたことだけど、今日目が覚めたときはっきりと「あ、なんか楽しくない」と気づいて、何もしたくなくなった。起きれないのはそのせいだと思うのだ。今日やることが楽しみだったら、たぶん平気で起きれるんじゃないか。やらなきゃとか、未来のために今やるんだ!みたいな気持ちは、私は長続きしない。

それで(?)、思い切って会社を午前休にした。会社の予定で自分の予定が決まるのもなんか違う気がして。それで身支度をして、ペリカンコーヒーにミートドリアを食べにでかけた。いつかの土曜日、昼間からビールを飲みながらミートドリアを食べたことがあって、その時間がすごく気持ちよかったのを思い出して。道すがら、ふと、やまだ紫の「性悪猫」の一節を思い出す。『ぐれようと志して ぐれてみれば きっと立派な よた者になろう』。私は、よた者になりたい、志してなる、よた者になりたい。その意味はよく分かっていないけど、なんとなくそう思う。

ペリカンコーヒーでミートドリアを食べながら、自分の気持ちを整理するために色々メモをした。そうしているうちに、考えている時間がバカバカしく思えてきた。私は、いま、たぶん、ちゃんと、自分にとって正しいことをやろうとしてる。でも理想に思ってる自分と今の自分との距離ばかりみて、遠いなと思って、しょげてただけなのかもしれない。もし自分が一本の樹だとして、それを育てているとき、幻の理想の樹と比べて、まだあんなに遠いと思うより、昨日より少し大きくなれていることを喜ぶ方がいいと思った。少しづつ大きくなっていくその樹はもしかしたら、私が思っていたような高い樹じゃなくて、立派なよた者の樹かもしれないじゃん。高い樹より、幹がふっとくて、おいしい実をみんなにあげられるような、そんな樹に育てたいなと思う。そこまでメモして、私のやる気はまた戻ってきた。

仕事は18時で切り上げて、夜は「青春デンデケデケデケ」の続きを最後まで観る。こんなに泣いちゃう映画だと思わなくてびっくり。大粒の涙がゴロゴロ出てきた。これは、私が知っている種類の青春。抱きしめたくなる全部がこの映画にはある、と思った。でもなんでこんなに自分が揺り動かされたかはわからない。これはチャンス。「青春デンデケデケデケ」にここまで揺り動かされた原因、研究して突き止めたいです。

夕飯は、まぐろとめかぶを和えたの、れんこんのじっくり焼き、おあげと大根の味噌汁、クリームシチュー(残り物ほんのちょっと)、ごはん。

2/3(木) 晴れとくもり

節分なので、恵方巻きを食べる段取りを昨日から考えていた。どっちにしろ仕事で外出は必要な日だけど、恵方巻きは会社近くで買ってお昼に食べるのが良さそうだったので、そのために出社する。出社前に脚本。

歌のプロットポイントを基点に構成を見直す。今つくっているこの脚本は「幕末太陽傳」から着想を得て考えている。大好きな映画。「幕末太陽傳」のハコと照らし合わせてどこにどんな要素が必要かを整理。要素を並べたところで今日は時間切れになった。歌のプロットポイントのキーワードは「暗躍」だ!どこで歌に暗躍を意識的に開始させるか、周りを巻き込んでいくか、そこが楽しみのポイントになりそう。

今日は仕事に集中できた。それだけで何だか嬉しい。集中して仕事して、家でごはんを作って食べた。塩昆布の焼きそば、じゃがいもと玉ねぎの味噌汁、ピーマンのわた焼き。夏のメニューみたい。ごはんのあと、お腹いっぱいで眠くなってしまい、食器もほったらかしで一度寝てしまう。目が覚めたら深夜の2時で、わたしは34歳になった。シャワーを浴びて食器を洗って、また寝た。

2/2(水) 晴れ

1日日記を書かないと、もう昨日がどんな日だったか忘れてしまう。

昨日は脚本で嬉しいことがあった。木曜日の虎之介のところまで書き終えて今、ハコに分解して構成を整理し直そうとしてるんだけど、ここへきてようやくテーマのようなものが見え始めた気がする。テーマって本当は一番初めに見つけたいのに、私はいつも遅い。昨日見つけたかもしれないそれは、たぶん、「ぜんぶ、1回キリ」ということだ。高校生活って、永遠に続くような気もしていて、その一方でいつか必ず終わりが来ることもどこかで知っていて、その間にある毎日は全部1回しか来ない1日だ。彼らの毎日がそれでも楽しそうで、その1回きりしかないことが、切なく感じてもらえたら…だってそれは、その日々がずっと続いてほしいと思えるくらい愛おしいものということだから。そういうことじゃないだろうか。

今日は、そのテーマを持って今の脚本をハコに起こした。ハコに起こすと何度も同じようなことを言ってるシーンがあったり、何のためのシーンか分からなかったりして、そのシーンの本質をよく考えないで書いてるなぁと感じた。落ち込みそうになるが、とどめる。

脚本の後は掃除。両親が物を届けにうちに来てくれるので。鍋と、おじいちゃんの家から発掘した卵焼き用の四角いフライパンみたいなやつを受け取る。3人でサンドイッチを食べる。帰ってしまったあと、なんだか寂しくて泣いた。辛いなっていう寂しい涙じゃなくて、二人のことが大好きで寂しいなという感じの涙だった。なんと言い表したらいいか分からない気持ち。誕生日が近いので、もう結婚しなさいよと言われて、今まではなんか反発していたのだけど、結婚しようかなという気持ちになる。できるかは置いておいて。

そのあとは、仕事であちこち移動して、みたら今日だけで1.1万歩ほど歩いていた。なんだか疲れてすぐに寝てしまった。

夜は、ブロッコリーのスパゲティ、玉子とパセリのふわふわスープ。

1/31(月) くもり

色々あって、なかなか日記が書けなかった。物理的に書けなかったのもあるし、気持ち的に書きたくなかったというのもある。今も書きたいのか分からないけど、色々はひと段落したし、せっかくなので続けてみる、誰も見てるわけじゃないんだし、自分のペースでと言い訳もしておく。

朝、脚本を再開。ずっと書けていなかった。今まで書いたところを読む。セリフのテンポは好き。展開もボルトが閉まってない感じがする。

お昼にスーパーに買い物に行った。そのとき、チョコレートの棚におばちゃんが3人くらい滞留していて、何事だろうと思って近づいたら、みんな真剣にチョコレートを選んでいた。あれやこれや手にとって、膝を折って上から下まで。思わず見入ってしまった。こんなに真剣に選ばれるものなんだ、チョコレートって。それは、お財布事情もあると思った。限られたお金の中で「楽しみ」であるチョコレートで絶対ホームランヒットするぞ!という意気込み。今仕事でチョコレート案件やっているのもあって、こういう人たちがわたしが向き合うべき人なんだと思ったら、なんだか胸の底が少し熱くなった。真剣に向き合う人たちに、こちらも真剣に選んでもらいにいく。どうしたらその真剣さに応えられるかの仕事なのだ。

夜ごはんは、ブリと白菜のうま煮、ピーマンの塩昆布サラダ(ごま油なくてオリーブ油でやったら微妙だった)、ごはん(今日から青天の霹靂)。休肝日。

1/22(土) 晴れ

掃除、洗濯、花の水替えをすると決めていたので、朝からそれをダーっとやる。花はオレンジのダリア。なんかテンションがあがらなかったので、木曜日の帰り道に買ったやつ。今日も元気に咲いている。洗濯は、水曜日の夜に干したやつを取り込むところからはじまる。何日干しとんねん。

注文しておいた足元のヒーターが届く。±0のコロンとしたやつで、400Wでも1,000Wなみの暖かさという文句に惹かれてうちにきてもらうことにした。かわいい。あったかい気がする。これがあれば、家の寒さに負けずに会社に行かずに済むかもしれないと希望を抱く。暖房代は心配だ。

仕事をして用事をしに出かけ、帰りがけに思いついてバナナのパウンドケーキを焼いてみることにする。材料を買って家でつくる。レシピサイトの写真と生地の色が全然違くて「うん?」と思ったけど、焼きあがってみたら、しっとりしててとてもおいしい。明日の朝も食べるので楽しみ。

本当は今日やらないといけない仕事を先延ばしにしてしまった。あの、悩んでるやつ。明日はそれに向き合わないと。いろんな人が力を貸してくれている。逃げるわけにいかない。やりきらないと、きっとモヤモヤが残る。と、口で言うのは簡単だ。

夕飯は、おあげと水菜となすの味噌汁、ごはん(仁多米)(うまい!)、昆布の梅煮。お風呂で、「お金の手帖」を読み始める。これからは、しばらく、お風呂でお金の勉強をすることにする。将来の貯蓄とかちゃんと考えてなかったけど、でも、力強く生きて行くためには、どうやら知って、行動しておいた方がよさそうだと思ったのだ。